日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツトガ」の意味・わかりやすい解説
ツトガ
つとが / 苞蛾
[学] Ancylolomia japonica
昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科の総称。この科は、はねの開張25~35ミリメートル。はねは細長く、前翅頂はとがり、その外縁は中央ですこしへこむ。前翅には細い赤褐色の縦線が無数にあり、中室の下縁は黄白色、外縁部に銀白色帯がある。雌は雄より大きく、はねの色が淡色。北海道から琉球(りゅうきゅう)諸島まで各地に多い。国外では、台湾、朝鮮半島、シベリア東部から中国に分布する。幼虫はおもに芝生に寄生する。土中に糞(ふん)や枯れ葉のくずを糸で紡いで苞(つと)をつくり、その中から食害する。若齢幼虫で越冬し、初夏に蛹化(ようか)する。成虫は7~9月に出現し、よく灯火に飛来する。芝生に発生すると、葉の色が悪くなり、生葉がなくなってしまうことがある。
[井上 寛]