テニス肘(読み)てにすひじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テニス肘」の意味・わかりやすい解説

テニス肘
てにすひじ

硬式テニスでバックハンド・ストロークやフォアハンド・ストロークを行うと、腕回外筋と手関節伸筋を強力に使ったり、手関節を伸展位に固定したまま衝撃を受けることによって発症することが多いところからよばれたスポーツ障害の一つである。整形外科学では上腕骨外上顆(がいじょうか)炎といい、上腕骨の外側上顆部を中心とする疼痛(とうつう)や著明な圧痛のあるもののうち、骨折など骨に直接変化のある場合や肘(ちゅう)関節炎による場合を除いたものをいう。

 日常生活では、重い物を持ったりして発症する主婦が多く、40歳代にもっとも多い。硬式テニスの愛好者についても、40歳以上に多くみられる。肘関節屈伸は比較的楽にできるものの、ポットを持ったり、タオルを絞る動作で疼痛が誘発されるほか、握力も低下する。前腕外側背部や橈(とう)骨手背部にしびれ感や知覚鈍麻がみられることもある。急性、亜急性、慢性に分けられるが、慢性型は職業的にみられ、再発を繰り返す。高年齢者では退行変性も関連している。簡単な装具によって局所の安静を図る保存療法で大部分は治癒するが、再発例も少なくない。少なくとも2、3週間は疼痛の誘因となるような動作を避ける。温熱療法や消炎鎮痛剤も用いられる。難治例には手術療法が行われるが、少ない。

[永井 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テニス肘」の意味・わかりやすい解説

テニス肘
テニスひじ

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