トゥカーラーム(読み)とぅかーらーむ(英語表記)Tukārām

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥカーラーム」の意味・わかりやすい解説

トゥカーラーム
とぅかーらーむ
Tukārām
(1608―1649)

インドマハーラーシュトラの宗教詩人。熱烈なビシュヌ教徒で、ビシュヌ神に捧(ささ)げる数多く讃歌(さんか)を俗語マラーティー語で残す。彼の詩は、唯一神に対するバクティbhakti(誠信・信愛)の喜びを、素朴にしかも情熱的に歌い上げたもので、広く民衆に愛唱され、親しまれた。終生ささやかな一店主として暮らし、神への奉仕に生き続けた彼は、バクティ信仰体現者としても人々に敬慕された。

[矢島道彦 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥカーラーム」の意味・わかりやすい解説

トゥカーラーム
Tukārām

[生]1608
[没]1649
インド,マハーラーシュトラ地方のビシュヌ信仰の一派バーガバタ派の信仰者。マハーラーシュトラ・バクティ (信愛) 派の宗教詩人。マハーラーシュトラ地方の土着神ビトーバーに対する絶対帰依と信愛を歌った多くの賛歌「アバンガ」を残している。

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