ゴマノハグサ科の草本植物で,ふつう花壇や鉢植えに栽培される。和名をハナウリクサという。草丈20~25cm。株はよく分枝して直立し,茎は四角,葉は尖卵形で対生する。秋には茎の上部の葉腋(ようえき)に紫青色または乳白色の花をつけ,一面に咲くと美しい。花は不明りょうに合着した淡青色の2枚の花弁が上唇弁となり,下唇弁は濃紫青色の3枚が明りょうに合着して成り立ち,花喉部に黄色の斑紋がある。めしべは接触すると閉じる。種まきは4~5月。種子が微細なので,ピートモスまたは腐葉土のみじんを単用し,平鉢に粗くばらまきし,育った苗を植えひろげる。性質は強く,日当りのよい多湿地によく育つ。
ウリクサ属Toreniaは,アジアとアフリカの熱帯に約30種あり,そのうち数種が観賞に利用される。ツルウリクサT.concolor Lindl.はハナウリクサに酷似した一年草で,茎はつる状にのびて地をはい,夏に濃紫色の花をつける。最近つり鉢として市販されているが,種は春まきとする。古株は温室で越冬する。
執筆者:浅山 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ゴマノハグサ科(APG分類:アゼナ科)の一年草。インドシナ原産。和名はハナウリクサ(花瓜草)という。またスミレに似た草姿からナツスミレともいう。茎は4稜(りょう)があり、高さ25~30センチメートル、下部からよく分枝し、1株で30センチメートル平方に広がる。葉は対生し、卵形で緑色であるが、のちに紫褐色を帯びる。花は唇形で、上唇は淡青色で不明瞭(ふめいりょう)に2枚合着するが、下唇3枚ははっきり分かれ、ビロード状の紫青色で中央の基部に黄色の斑点(はんてん)がある。白色花の変種もある。種子は小魚の卵のように微細なので、厚播(あつま)きにならないよう注意する。一度栽培すると、こぼれ種で何年か芽生えるほどじょうぶである。春播きであるが、6月ころの遅播きにして、秋口の花壇または鉢植え用としても楽しめる。
[山口美智子 2021年8月20日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新