トーハン(読み)とーはん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トーハン」の意味・わかりやすい解説

トーハン(株)
とーはん

1949年(昭和24)9月創立の出版取次会社。同年3月に出版物の一元的配給機関である日本出版配給株式会社(日配)が過度経済力集中排除法指定により解散した後を受けて、日本出版販売株式会社(日販)などとともに東京出版販売株式会社(東販)として設立された。出版取次会社として全国的な配送網をもっており、物的流通情報金融などの機能を遂行している。出版流通のかなめ的存在で、日販とともに「東・日販体制」といわれる大取次である。92年、株式会社トーハンと社名変更資本金45億円、従業員2800人、売上高約7972億円(1997)。

[清田義昭]

『東京出版販売株式会社編・刊『東販三十年史』(1979)』

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改訂新版 世界大百科事典 「トーハン」の意味・わかりやすい解説

トーハン[株]

日本出版販売とともに,日本における二大出版物取次会社の一つ。本社,東京。旧称,東京出版販売。1941年に設立された日本出版配給(株)(1944年より統制会社)が49年に9分割された際,その一つとして日本自由出版協会系出版社と旧東京堂(取次)系社員を中心に創設され,大手出版社の雑誌扱いを主力業績を拡大し,基礎を築いた。55年業界初の電算機を導入し,出版流通の合理化・効率化を主導した。92年,社名を現在のものに改める。取引先小売書店は,全国に約2万4000店。資本金45億円,売上高6189億円(2008年3月期)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トーハン」の意味・わかりやすい解説

トーハン

書店と出版社の間の流通機構として,日本最大の取次販売会社。第2次世界大戦前の東京堂をもと戦中の日本出版配給会社を経て,戦後その解体を機に日本出版販売と分離し,1949年9月東京出版販売として設立。 92年1月現社名に変更。書籍,雑誌,教科書,教材,ビデオソフトなどを扱うほか,ニューメディア事業の育成など情報・物流関連に力を入れている。本社東京。事業構成は雑誌 47%,書籍 36%,ニューメディア関連8%ほか。資本金 45億円,売上高 7720億 700万円,従業員数約 3200名 (1996) 。

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百科事典マイペディア 「トーハン」の意味・わかりやすい解説

トーハン[株]【トーハン】

東京都にある出版物取次会社で日販(日本出版販売)と並んで業界最大手。雑誌に強い。1949年創立の東京出版販売(株)が1992年改称。物流や情報への投資を強化するほか,ニューメディア事業に力を注いでいる。全国書店と連携したネット販売を推進。2011年資本金45億円,2011年3月期売上高5194億円。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「トーハン」の解説

トーハン

正式社名「株式会社トーハン」。英文社名「TOHAN CORPORATION」。卸売業。昭和24年(1949)「東京出版販売株式会社」設立。平成4年(1992)現在の社名に変更。本社は東京都新宿区東五軒町。出版取次会社。日販と並ぶ2大大手の一角。書籍速配サービス「ブックライナー」やオンライン書店「e-hon」の運営も手がける。

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