ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トーランド」の意味・わかりやすい解説
トーランド
Toland, John Willard
[没]2004.1.4. コネチカット,ダンベリー
アメリカ合衆国の歴史研究家。第2次世界大戦について記した歴史書数冊がベストセラーになった。第2次世界大戦中に陸軍航空隊に勤務したのち,フリーランスのジャーナリストとなる。最初のノンフィクションは,飛行船をテーマにした "Ships in the Sky"(1957)だった。日本の視点から書いた『大日本帝国の興亡』The Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire, 1936-1945(1970)はピュリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。『アドルフ・ヒトラー』Adolf Hitler(1976)は,ヒトラーの伝記としてはきわめて包括的なものといわれている。『真珠湾攻撃』Infamy: Pearl Harbor and Its Aftermath(1982)では,フランクリン・D.ルーズベルト大統領は事前に真珠湾攻撃計画を知っていたが,アメリカ参戦の口実にするためにこれを阻止しなかったと主張。1997年には回顧録 "Captured by History"を発表している。
トーランド
Toland, John
[没]1722.3.11. ロンドン
アイルランドの思想家。 16歳のときカトリックから国教会に改宗。イギリス,ドイツで学んだ。理神論の立場に立ち,またロックからの影響を受け,キリスト教が神秘的なものではないことを説いた。しかし晩年は汎神論的色彩を強めた。自由思想家と呼ばれ,この言葉およびパンシースト (汎神論者) という呼び方は彼に由来するといわれる。主著『神秘的でないキリスト教』 Christianity Not Mysterious (1696) ,『ミルトン伝』 Life of Milton (98) ,『パンシースティコン』 Pantheisticon (1720) 。
トーランド
Toland, Gregg
[没]1948.9.28. カリフォルニア,ハリウッド
アメリカ合衆国の映画カメラマン,撮影監督。オーソン・ウェルズ監督の『市民ケーン』(1941)ではパンフォーカスの手法を完成させ,『嵐が丘』(1939,アカデミー黒白撮影賞),『怒りの葡萄』(1940)など優れた撮影技術で有名。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報