ドジョウツナギ(読み)どじょうつなぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドジョウツナギ」の意味・わかりやすい解説

ドジョウツナギ
どじょうつなぎ / 泥鰌繋
[学] Glyceria ischyroneura Steud.

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)は高さ約1メートル。葉は長さ約40センチメートル、葉舌(ようぜつ)は幅が長さより長く、膜質。5~6月、稈の先端に円錐(えんすい)花序をつくり、まばらに小穂をつける。小穂は狭長楕円(だえん)形で長さ5~7ミリメートル、3~7個の小花がある。包穎(ほうえい)は短く、護穎は卵形で長さ約2.2ミリメートル、7~9本の脈があり、縁(へり)は透明な膜質。花被片(かひへん)にあたる鱗被(りんぴ)は1枚、多肉質で長方形をなす。小軸は内穎の竜骨に沿ってジグザグ状に湾曲し、小花を連ねる。池畔水辺に生え、北海道から九州、および朝鮮半島に分布する。名は、ドジョウをとったときに、この茎に刺し連ねて持つのに使ったのでいう。

[許 建 昌 2019年9月17日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドジョウツナギ」の意味・わかりやすい解説

ドジョウツナギ
Glyceria ischyroneura; manna-grass

イネ科の多年草。日本および朝鮮半島の温帯から暖帯にかけて分布し,溝,水辺および湿地に普通にみられる。茎の下部は節のところで曲り,上部は直立して高さ 50cmほどになる。葉は線形で軟らかい。初夏に,茎の頂部に長い円錐花序をなして多数緑色の小穂をつける。各小穂には5~6個の花がつく。

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