ドロップアウト(読み)どろっぷあうと(英語表記)dropout

翻訳|dropout

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドロップアウト」の意味・わかりやすい解説

ドロップアウト
どろっぷあうと
dropout

一般的には、なんらかの社会的・集団的活動から脱落すること(または脱落者、落後者)を意味するが、とくに教育制度との関連で、通常の教育コースからの脱落または脱落者をさすことが多い。たとえば中学校における長期欠席(者)、高等学校や大学の中途退学(者)など。したがって、このことばには、もともと、社会的不適応非行などを連想させる含みがあり、否定的な意味合いで使われるのが普通であった。しかし1960年代後半以降は、先進的産業社会における対抗文化counterculture運動との関連で、むしろ肯定的な意味合いを込めて使われることも多くなった。この場合には、進学競争や出世競争(さらには、その背後にある現代産業社会の正統的価値観)を拒否し、そこから自発的に脱落することによって新しい自由な生き方を試みるという側面が強調される。たとえばヒッピー現象などはその一つの表れであった。

[井上 俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android