ねぶ(読み)ネブ

デジタル大辞泉 「ねぶ」の意味・読み・例文・類語

ね・ぶ

[動バ上二]
年をとる。盛りを過ぎる。
「帝の御年―・びさせ給ひぬれど」〈紅葉賀
大人びる。また、年齢よりも大人っぽくなる。
「御年の程よりはるかに―・びさせ給ひて」〈平家一一

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精選版 日本国語大辞典 「ねぶ」の意味・読み・例文・類語

ね・ぶ

  1. 〘 自動詞 バ上二段活用 〙
  2. 年をとったさまになる。かなりの年輩になる。
    1. [初出の実例]「すこしねびたるがまじりたるしも」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  3. 成長する。おとなびる。また、年齢よりもおとなっぽくなる。およすく。
    1. [初出の実例]「いますこしねび給はば、いとようなり給ふべき人にこそ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)

ねぶ

  1. 〘 名詞 〙 植物ねむのき(合歓木)」の異名。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「吾妹子が形見の合歓木(ねぶ)は花のみに咲きてけだしく実にならじかも」(出典万葉集(8C後)八・一四六三)

ねぶ

  1. 〘 名詞 〙
  2. 子どものおはじき遊びで、まいた玉が二つ以上重なったもの。はじくことができないので、とりのけておいて後でまきなおしてはじく。〔俚言集覧(1797頃)〕
  3. 転じて、人をのけものにすること。ねぶ一丁

ねぶ

  1. 〘 名詞 〙 子どもが鳴らすホオズキの、実から種をうまく出せなかったものをいう。
    1. [初出の実例]「つぶさねへやうにしやれと、ねぶにしたるほうづきの如くとりあつかいけり」(出典:黄表紙・啌多雁取帳(1783))

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日本歴史地名大系 「ねぶ」の解説

ねぶ
ねぶ

向粟崎むかいあわがさき大根布おおねぶ付近一帯をさす戦国期から近世初頭の地名。元亀三年(一五七二)七月三日、「禰布忠左衛門尉」が河北郡木越きごし(現金沢市)一王丸名のうち、別相田一反を買得して名主職に補任され、天正二年(一五七四)九月三日には「禰布賢正」が同郡岩方いわかた(現同上)円性名のうち一反を買得し、名主となっている(「大口雅善名主職補任状」案文消息類)。同一一年四月日の羽柴秀吉禁制(小浜神社文書)に賀州石川郡として「大ねふ」「もとねふ」がみえる。同一四年正月二二日の黒津舟くろつぶね権現(現小浜神社)再興を命じた前田利家印判状写(黒津舟神社文書)には、「ねふ両村」あるいは「ねふ七村」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内のねぶの言及

【ネムノキ(合歓木)】より

…暗くなると葉をとじて眠ったようにみえるためネムノキと呼ばれるマメ科の高木で,歌,詩,俳句などにも詠まれ親しまれている(イラスト)。ネム,ネブともいう。高さ10m以上に達し,林縁,原野など日当りのよい湿地を好む。…

※「ねぶ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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