ノートン(読み)のーとん(英語表記)Mary Norton

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノートン」の意味・わかりやすい解説

ノートン
のーとん
Mary Norton
(1903―1992)

イギリス児童文学作家。ロンドンに生まれる。初め女優を志したが、結婚のために舞台生活をあきらめ、夫とともにポルトガルに住んだ。第二次世界大戦中、一時アメリカに住んだが、この間生活のために一般向けの短編を書くようになった。1943年にロンドンに戻ると、『魔法のベッド南の国へ』(1943)を皮切りに本格的児童文学の創作を始め、『床下の小人たち』(1952)でカーネギー賞を受賞。豊かな想像力と緻密(ちみつ)な描写に支えられたその作品は、イギリス児童文学史上、第三の黄金時代といわれる50年代を代表するファンタジーとして、高い評価を受けている。

[掛川恭子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノートン」の意味・わかりやすい解説

ノートン
Norton, Charles Eliot

[生]1827.11.16. マサチューセッツケンブリッジ
[没]1908.10.21. マサチューセッツ,ケンブリッジ
アメリカの著述家ハーバード大学卒業後,1864~68年には『ノースアメリカン・レビュー』誌の編集にたずさわり,65年『ネーション』誌の創刊に関係,73~98年にはハーバード大学で初めて美術史を講じた。カーライルラスキンエマソン,ロングフェローらの友人としても有名。著書『中世教会建築の歴史的研究』 Historical Studies of Church-Building in the Middle Ages (1880) 。ダンテ『神曲』の翻訳 (3巻,91~92) や J.ダン詩集編纂 (2巻,95) なども手がけた。

ノートン
Norton, Thomas

[生]1532. ロンドン
[没]1584.3.10. ベッドフォードシャー,シャーペンホー
イギリスの詩人,劇作家。 1555年インナー・テンプル法学院に入り,数年後に国会議員となり,終始カトリックを攻撃。 81年エリザベス1世からカトリック信徒審問官に任じられた。早くから詩を書いてその数編は『トトル詩選集』に収められ,またカルバンの『キリスト教綱要』の翻訳 (1561) もあるが,なによりもイギリス最古の悲劇の一つ『ゴーボダック』 Gorboduc (61,T.サックビルと合作) の作者として知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報