日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハウスマン鉱」の意味・わかりやすい解説
ハウスマン鉱
はうすまんこう
hausmannite
マンガンの重要な鉱石鉱物の一つ。変成層状マンガン鉱床中に、ほとんど変成していないものから、かなり高い変成度の変成作用を受けたものまである。またその成因もマンガン団塊(マンガンノジュール)の還元に由来すると思われるものから、これがいったん菱(りょう)マンガン鉱の集合に変化したのち、その熱解離による産物とされるものもある。塊状あるいは粒状をなし、ほとんどつねに他の高品位マンガン鉱物と共存する。自形結晶は正方両錐(すい)、双晶を形成することもあるが、日本では産出は報告されていない。命名はドイツの鉱物学者ハウスマンJohann Friedrich Ludwig Hausmann(1782―1859)にちなむ。
[加藤 昭]