改訂新版 世界大百科事典 「ハクルート」の意味・わかりやすい解説
ハクルート
Richard Hakluyt
生没年:1552-1616
イギリスの地理学者,政論家。オックスフォード大学卒。学生時代から地理学に関心を示す。あたかもイギリス大航海時代の高揚期に当たり,探検・航海の記録・見聞をひろく収集,実際面では北アメリカ植民の熱烈な唱道者となった。また聖職者としては,1583-88年パリ駐在大使館付牧師,1603年ウェストミンスター大聖堂助祭。主著《イギリス国民の主要航海》(初版1589,増補版1598-1600)は彼が生涯にわたって収集した内外の記録を集成したもの。1846年その偉業を記念するためハクルート協会が創設され,ハクルート双書を企画。ヨーロッパ人による旅行記を,彼自身のもの,その後発見された新史料も含めて,すでに300巻,英語で出版している。
執筆者:越智 武臣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報