ハナミョウガ(読み)はなみょうが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナミョウガ」の意味・わかりやすい解説

ハナミョウガ
はなみょうが / 花茗荷
[学] Alpinia japonica (Thunb.) Miq.

ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の常緑多年草。太い根茎があり、茎は高さ40~60センチメートル。葉は数枚つき、長さ15~40センチメートル、葉鞘(ようしょう)は長い。初夏、細毛を密生する総状花序を頂生し、包葉の腋(えき)に長さ約2.5センチメートルの花を1~3個ずつ開く。花柄はごく短い。萼(がく)は長さ約1センチメートルで上部は紅色、花冠とともに外面に毛がある。花冠は3裂し、向軸側の裂片は立ち上がって、雄しべを包む。唇弁は卵形で長さ約1センチメートル、白色で脈が紅色を帯びる。林下または林縁に群生し、千葉県以西の本州から九州、および中国、台湾に分布する。種子は不定の多角形で伊豆縮砂(いずしゅくしゃ)と称し、芳香性健胃薬とするほか、腹痛下痢に用いる。

[清水建美 2019年6月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナミョウガ」の意味・わかりやすい解説

ハナミョウガ(花茗荷)
ハナミョウガ
Alpinia japonica

ショウガ科の多年草。関東南部以西の暖地山中樹陰に生える。地下茎は太く分枝し,鱗片葉がある。茎は二年生で斜上し,高さ 50cmぐらいで束生する。葉は長楕円形で 20~30cmに伸び,上下端ともに鋭くとがってミョウガに似ている。5~6月に,前年の葉の中から茎を1本出し,総状花序に3弁の白花をつける。果実は肉質で晩秋に赤く熟し,多数ある白い種子は健胃剤に用いられる。

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