ハリイ(読み)はりい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリイ」の意味・わかりやすい解説

ハリイ
はりい / 針藺
[学] Eleocharis congesta D.Don

カヤツリグサ科(APG分類:カヤツリグサ科)の一年草。稈(かん)は細く、何本も集まって株をつくり、高さ5~40センチメートル。葉は鞘(さや)に退化し、葉身はまったくない。6~10月、稈頂に1個の小穂ができる。小穂は卵形で長さ3~8ミリメートル、幅1.5~2.5ミリメートル、多数の鱗片(りんぺん)が螺旋(らせん)状に重なり合ってつく。鱗片は楕円(だえん)形で長さ1.5~2.5ミリメートル。花は鱗片の腋(えき)につき、刺針状の花被(かひ)があり、雄しべは3本、雌しべは1本。痩果(そうか)は倒卵状三稜(りょう)形で長さ0.7~1.2ミリメートル。水田湿地に生え、日本からインドにかけて広く分布する。

[清水建美 2019年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリイ」の意味・わかりやすい解説

ハリイ(針藺)
ハリイ
Eleocharis pellucida

カヤツリグサ科の小型の一年草。日本,朝鮮半島台湾,インド,マレーシアなどに分布し,原野の湿地や水田などに普通に生える。茎は多数叢生し,ひげ状で細く,高さ 20cmぐらい。葉はない。花は初夏から秋にかけて,茎の頂に卵形から狭卵形の 5mmほどある小穂をつける。包葉が変化した鱗片は卵形で紫褐色,花被は針状となり5~6本ある。

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