ハートカズラ(読み)はーとかずら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハートカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハートカズラ
はーとかずら
[学] Ceropegia woodii Schlecht.

ガガイモ科(APG分類:キョウチクトウ科)セロペギア属の多年草南アフリカ原産。地下部は多肉塊茎となり、茎の途中の節部にもむかごをつくる。細い茎を長く伸ばし、心臓形の葉を対生する。名は、この葉形に由来する。吊(つ)り鉢仕立てで、長く茎を垂れ下げると風情がある。乾燥に強く、凍らない程度で越冬する。

 セロペギア属は熱帯アジア、アフリカ、マダガスカルなどに150種以上分布する。つる性種には、花の大きなアマノジャク(天邪鬼C. haygarthii Schlecht.やスイリュウ(酔竜)C. sandersonii Hook.f.がある。ほかに茎が多肉質でつるにならないウスグモ(薄雲)C. stapeliiformis Haw.がある。

[高林成年 2021年6月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハートカズラ」の意味・わかりやすい解説

ハートカズラ
Ceropegia woodii; hearts-entangled; hearts-on-a-string; heart vine

ガガイモ科のつる性宿根草。南アフリカに自生する。ごく細い茎に長さ 1.5~2cmの小さな心臓形の葉が対生し,暗緑色地色葉脈に沿って銀白色の斑 (ふ) が入る。園芸品種には白色から淡い桃色の覆輪 (ふくりん) が入る`レディー・ハート'などがある。観葉植物として吊り鉢仕立てで流通する。乾燥に強く過湿に弱いため,水はけのよい用土を用いて,戸外で雨に当てないようにする。夏は半日陰で管理し,冬は明るい窓辺などで5℃以上に保つ。

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