バストネス石(読み)バストネスせき(その他表記)bastnäsite-(Ce)

最新 地学事典 「バストネス石」の解説

バストネスせき
バストネス石

bastnäsite-(Ce)

バストネス石で最もふつうなのが(セリウム)バストネス石。その他,ランタンバストネス石,ネオジムバストネス石,イットリウムバストネス石が知られる。(セリウム)バストネス石は,化学組成Ce(CO3)Fの鉱物。六方晶系,空間群, 格子定数a0.71175nm, c0.97619, 単位格子中6分子含む。晶癖板状・粒状。劈開不明瞭,ときに二次的な裂開{0001}明瞭,断口不規則,脆弱,硬度4~4.5, 比重4.7~5.2。ガラス脂肪光沢,裂開面で真珠光沢,脂黄~赤褐色。透明~半透明。透過光で無色~淡黄色,かすかに多色性あり,吸収E>O, 屈折率ω1.716~1.723, ε1.817~1.825, 一軸性正。強硫酸にはCO2, HFを発して溶解。スウェーデン,VästmanlandのBastnäsで角閃石スカルンの接触帯に,褐れん石セライトなどを伴う。結晶構造中に希土類とフッ素からなる六角網目構造をもち,炭酸イオンはこの網目構造の間に位置し希土類元素に配位。この構造的特徴のため,希土類炭酸塩としては例外的に,イオン半径の異なる希土類元素で置換しても構造を保ち,イオン半径の小さいイットリウム主体とするイットリウムバストネス石もある。セリウムパリサイト・レントゲン石・セリウムシンキス石はバストネス石と同様な構造単位からなる積層構造をもち,構造的に関連。フッ素を水酸基で置換した水酸バストネス石,トリウムを含むトルバストネス石がある。モナズ石とともに,軽希土の主要資源鉱物。米国Mountain Pass, 中国Baiyun Oboのカーボナタイト鉱床が有名。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バストネス石」の意味・わかりやすい解説

バストネス石
ばすとねすせき
bastnäsite-(Ce)

セリウムの鉱石鉱物の一つ。セリウム族希土類を主成分とするフッ素炭酸塩鉱物。希土類元素のほか、アルカリ、アルカリ土類元素を主成分とする炭酸塩鉱物は50種を超え、それらのなかには多型polytype(層状の単位に分割した場合の原子配列の積み重なり方が異なる相)をもつものも多い。バストネス石は炭酸塩鉱物としては緻密(ちみつ)な原子配列をもち、異常に大きい比重(>5)を与える。日本では福島県で花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に既存のセリウム鉱物の分解物として粉末状のものを産する。世界的にはカーボナタイト(火成起源の炭酸塩岩)中のものが有名で、モンゴルのベイユン・オボBaiyun Obo、アメリカのコロラド州パイクス・ピークPikes Peak地域などでは鉱床を構成する。命名は原産地スウェーデンのバストネスBastnäsにちなむ。セリウム以外にランタン(La)やイットリウム(Y)をもっとも多く含むものや本鉱のOH置換体もある。

[加藤 昭]


バストネス石(データノート)
ばすとねすせきでーたのーと

バストネス石
 英名    bastnäsite-(Ce)
 化学式   Ce[F|CO3
 少量成分  Ca,H2O,他のCe族稀土
 結晶系   六方
 硬度    4~4.5
 比重    5.12
 色     灰黄,赤褐,白,灰白
 光沢    ガラス~脂肪
 条痕    白
 劈開    無
 その他   一方向に裂開
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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