日本大百科全書(ニッポニカ) 「バックギャモン」の意味・わかりやすい解説
バックギャモン
ばっくぎゃもん
back gammon
盤上で黒・白または赤・白の二色に塗り分けられた15個ずつ30個の駒(こま)と、駒と同色のダイス2個ずつ4個を使用して2人で争うゲーム。賭(か)け事として行われることが多い。白鳳(はくほう)時代(7世紀後半)に大陸から伝えられ日本の賭け事の起源になった盤双六(ばんすごろく)と同系統のゲームであり、歴史は古く紀元前3000年ごろのメソポタミア王朝にまでさかのぼり、遺跡からはその原型が発掘されている。
ゲームは、交互にダイス2個をダイスボックスに入れて振り、出た目数を別々に2個の駒か、合計の目数を1個の駒か、いずれかを選んで駒を進め、自分の駒全部を、ルールで定められている自分の場所に集めるか、上がりにして全部を外に出したほうが勝ちとなる。日本では持統(じとう)天皇の3年(689)に「雙六(すくろく)禁断之令」が発布されて禁じられたが、13世紀ごろから世界各国も相次いでこれを禁じ、長い間廃れていた。1925年アメリカでダブリングdoublingというルールが考案されてふたたび流行し始め、現在は世界中で広く行われている。日本では1974年(昭和49)に日本バックギャモン協会が設立され、諸規則を統一するとともに、毎年日本バックギャモン選手権大会を開催している。
[倉茂貞助]