バレーリー(その他表記)Bareily

デジタル大辞泉 「バレーリー」の意味・読み・例文・類語

バレーリー(Bareilly)

インド北部、ウッタルプラデシュ州都市デリーの東約220キロメートル、ガンジス川の支流ラムガンガ川沿いに位置する。16世紀にムガル帝国により建設。17世紀にアフガン系のロヒラ族の支配拠点が置かれ、イスラム寺院や城砦跡が残っている。鉄道幹線道路要地。周辺の平野部で米・小麦サトウキビを産し、集散地となっている。バレイリー

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改訂新版 世界大百科事典 「バレーリー」の意味・わかりやすい解説

バレーリー
Bareily

インド北部,ウッタル・プラデーシュ州西部の同名県の県都。首都デリーと州都ラクナウを結ぶ幹線道路,鉄道のほぼ中間点に位置する交通の要衝である。人口69万9839(2001)。7世紀にインドを旅した中国の僧玄奘(げんじよう)は,10の仏寺があり1000人の仏僧がいたと記した。今日の町は,ムガル朝時代の1657年,藩主マクランド・ライによりその基礎が築かれ,当時のとりでが今に残る。17世紀初頭にアフガニスタン方面から進出したロヒラ族が支配の拠点を築いたので,そのロヒラ族の地方(ロヒルカンド)の中心都市となった。1801年,東インド会社領に編入され,57年の第1回反英独立戦争(インド大反乱セポイの反乱)では一拠点ともなった。小麦,サトウキビ,米の生産地および集散地として知られるが,製糖業綿織物業,家具・木工業も古くから発達した。市内には,13~18世紀に建てられたモスクや庭園も多く残る。とくに13世紀ころに建立されたサヒク・アフマド・カンダン・モスクが有名である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バレーリー」の意味・わかりやすい解説

バレーリー
Bareilly

インド北部,ウッタルプラデーシュ州中西部の都市。バレーリー県の行政庁所在地。デリー東方約 220km,ガンジス川平原の奥部,支流ラムガンガ (川) にのぞむ。ガンジス川北側の陸路の要地。 1537年に建設され,のちムガル帝国のもとで,ロヒラ族の王都となった。 1801年イギリスの支配下に入り,インド大反乱では地方政権が樹立されて反英闘争の拠点となった。製糖化学マッチ綿織物,家具などの工業がある。多数のモスク (16~17世紀) ,ランプル太守の宮殿,アショーカ王時代の仏教遺跡などがある。人口 58万 3437 (1991) 。

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百科事典マイペディア 「バレーリー」の意味・わかりやすい解説

バレーリー

インド北部,ウッタル・プラデーシュ州北西部,ガンガー川河岸の都市。鉄道の要地で,軍事基地がある。製糖業が盛ん。1657年創設,1707年―1720年ロヒラ族の王国の主都。1801年英領。98万6000人(2011)。

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世界大百科事典(旧版)内のバレーリーの言及

【象徴主義】より

…命名者のモレアスも,〈象徴詩は感知できる形態を“観念(イデー)”にまとわせようと努める〉と述べたが,詩人たちの共通の特質を要約するとなったら,そういう漠然とした言い方しかできなかったのも,当時としては無理からぬところもあったろう。のちにバレリーは,マラルメの言葉を援用して,〈象徴主義とは音楽から富を奪還する試み〉と定義したが,たしかに聴く者の内面にさまざまな想像を喚起する音楽と競って,詩句の音楽性を重視しようとする考え方は,この詩人たちに共通している。 象徴主義という名称が,フランス文学の世界で市民権を認められ始めた頃,さまざまな傾向が混在するなかで,とくに若い詩人たちから代表的な存在とみなされていたのはマラルメである。…

【ファウスト】より

…悪魔は彼に魔術の世界を開く鍵を伝授し,数々の奇跡を実行する能力を彼に授けたのである。これに続いてまずイギリスのC.マーロー(1588)が,ドイツではレッシング(断片),ゲーテ,F.M.クリンガー(1791),N.レーナウ(1836),ハイネ(1851,バレエ台本),20世紀に入って,トーマス・マンの《ファウスト博士》(1947),バレリーの《モン・フォースト》(1946)がこのテーマを扱い,ファウスト伝説を豊富にした。ファウスト〈テーマ〉は救済型と破滅型に分かれるが,ゲーテのファウストのみが救済され,他はそれぞれの時代思潮からとられたテーマに従って一般に破滅型である。…

※「バレーリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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