バンドネオン(その他表記)bandoneon

翻訳|bandoneon

デジタル大辞泉 「バンドネオン」の意味・読み・例文・類語

バンドネオン(〈スペイン〉bandoneón)

アコーディオン同属リード楽器。ボタン式の鍵盤けんばんをもち、主にアルゼンチンタンゴに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「バンドネオン」の意味・読み・例文・類語

バンドネオン

  1. 〘 名詞 〙 ( [スペイン語] bandoneón ) リードオルガン属の楽器の一つアルゼンチンタンゴに用いられる、アコーディオンに似た旋律楽器で、ボタン式の鍵盤を使用して演奏する。
    1. [初出の実例]「やはらかいバンドネオンと鋭いクラリオネットの音色で」(出典:残夢(1939)〈井上友一郎〉七)

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改訂新版 世界大百科事典 「バンドネオン」の意味・わかりやすい解説

バンドネオン
bandoneon

アコーディオン(フリー・リードを手動ふいごで鳴らす楽器)の一種で,ピアノ式鍵盤は用いず,方形の長い蛇腹両端にあるボタン式の鍵でバルブ操作する。アコーディオンを基にして19世紀の前半ドイツで考案され,後半にアルゼンチンに移入された。鋭い明快なスタッカートが可能で深味のある音色をもち,タンゴに適したため,タンゴに不可欠な楽器として発達した。右手高音部に38鍵,左手低音部に33鍵があり,蛇腹を伸ばしたときと縮めたときで同一ボタンが別の音を出す。ディアトニック・タイプのものがよく使われ,両膝の上に置いて演奏する。
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百科事典マイペディア 「バンドネオン」の意味・わかりやすい解説

バンドネオン

アコーディオンの一種。ドイツで1840年ころ発明され,のちアルゼンチンに導入されて,タンゴの主要楽器として使われるようになった。四角形の長い蛇腹の両端にボタン式の鍵盤と,手首を通して楽器を保持する革バンドがつき,両ひざ上に置いて奏する。右手で高音部,左手で低音部のボタンを操作,鋭いスタッカートも可能。
→関連項目ハルモニウムピアソラ

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音楽用語ダス 「バンドネオン」の解説

バンドネオン [bandoneon]

1840年代にアコーディオンにヒントを得てドイツで発明され、その後アルゼンチンでタンゴの楽器として定着した。元来タンゴ演奏はフルートクラリネット、ギターのトリオが主流だったが、今世紀に入ってバンドネオン、ピアノ、バイオリン、コントラバスを中核としたものが標準編成(オルケスタ・ティピカ)となった。現在はさらにエレキ・ギター、シンセサイザーなども使われる。バンドネオンはアコーディオンの一種であるが、ピアノ式アコーディオンのような鍵盤はなく、蛇腹を伸縮させながらボタンを押して発音させる。レガート奏法、スタッカート奏法を駆使して旋律や和音を奏し、特にスタッカートはほかのアコーディオンよりも歯切れがよく、その点でもタンゴにより適している。歴史的な名演奏家にアストル・ピアソラがいる。音域は3オクターブ、イ長調に調律するのが一般的。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンドネオン」の意味・わかりやすい解説

バンドネオン
ばんどねおん
bandoneon

フリーリードの気鳴楽器の一種。1840年代にドイツのクレーフェルトのバントHeinrich Band(1821―60)がアコーディオンに基づいて発明した。四角形の蛇腹の両端にボタン式の鍵盤(けんばん)が取り付けられており、左手側が低音で単音のみ、右手側が高音で和音も演奏できるようになっている。右手親指のところに空気弁の開閉レバーがついている。音域は3オクターブで、音色はアコーディオンより重厚である。19世紀後半にアルゼンチンにもたらされ、タンゴ・アンサンブルの主要な楽器となった。鋭いスタッカートの表現に優れており、タンゴのリズムを際だたせる楽器である。

[卜田隆嗣]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンドネオン」の意味・わかりやすい解説

バンドネオン
bandoneon

フリー・リード楽器の一種。箱型でフィンガーバトンで奏される複動作用のアコーディオンで,ドイツのクレフェルト楽団のハインリヒ・バントが初めて使った。現在アルゼンチン・タンゴを演奏するとき,おもなソロ楽器として使われている。

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