バーバー(読み)ばーばー(英語表記)Samuel Barber

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーバー」の意味・わかりやすい解説

バーバー(Homi Jehangir Bhabha)
ばーばー
Homi Jehangir Bhabha
(1909―1966)

インド理論物理学者。ケンブリッジ大学に学び、バンガロール(現、ベンガルール)のインド科学研究所の教授を経て、1945年ボンベイ(現、ムンバイ)のタタ研究所の所長になった。素粒子物理学の分野で優れた業績をあげた。とくに1936年にハイトラーと共同で提出した宇宙線のカスケード・シャワーの理論は、この種の高エネルギー現象を量子電気力学の適用限界内でみごとに説明したものとして知られる。

 そのほか中間子論の展開への貢献(1938)、五次元の理論などの寄与があり、第1回国際原子力技術会議(1955)には議長を務めるなど、国際的にも活発に活動した。1966年、インド航空機事故のため急逝

藤村 淳]


バーバー(Samuel Barber)
ばーばー
Samuel Barber
(1910―1981)

アメリカの作曲家。カーティス音楽院に学ぶ。1935年、アメリカ・ローマ賞とピュリッツァー留学資金を獲得してローマに留学。十二音技法や多調性など、新しい音楽語法を導入した作品もみられるが、基本的にはロマン派の伝統を受け継ぎ、豊かな旋律感とリリシズムにあふれた親しみやすい作風を示し、アメリカ人の間に広く愛好された。代表作に、弦楽四重奏曲(1936。とくに第二楽章は編曲されて『弦楽のためのアダージョ』として有名)、ピアノ・ソナタ(1948)、メノッティの台本によるオペラ『バネッサ』(1957~58。ピュリッツァー賞受賞)、ピアノ協奏曲(1962)、オペラ『アントニーとクレオパトラ』(1966)など。

[寺田兼文]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーバー」の意味・わかりやすい解説

バーバー
Barber, Samuel

[生]1910.3.9. ペンシルバニア,ウェストチェスター
[没]1981.1.23. ニューヨーク
アメリカの作曲家。 1924年にカーティス音楽院に入学,指揮を F.ライナー,作曲を R.スカレロに学んだ。 34年に卒業し,作曲に専念。 43年空軍に入り,電子音楽による航空用サインをつくった。主作品『弦楽のためのアダージョ』 (1938) ,『交響曲第2番』 (44) ,バレエ音楽『メディア』 (46) ,ピュリッツァー賞受賞のオペラ『バネッサ』 (58) 。

バーバー
Barbour (Barbere; Barbier), John

[生]1325頃
[没]1395.3.13. アバディーン
スコットランドの詩人。スコットランド建国の名君といわれるブルースを歌った 20巻1万 4000行に近い『スコットランド王ロバート・ブルースの生涯と事績』 The Actes and Life of the most victorious Conquerour,Robert Bruce King of Scotland (1376,通称 The Bruceまたは The Brus) の作者。

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