パイロクロアイト(読み)ぱいろくろあいと(その他表記)pyrochroite

最新 地学事典 「パイロクロアイト」の解説

パイロクロアイト

pyrochroite

化学組成Mn(OH2鉱物三方晶系,空間群,格子定数a0.3323nm, c0.4738, 単位格子中1分子含む。ふつう葉片状,まれに柱状ないし板状結晶。硬度2.5, 比重3.25, 計算密度3.27ɡ/cm3, 劈開{0001}完全,無色だが空気中で褐~黒色化。長く空気中に放置されたものでは完全に分解し,ファイトクネヒト鉱などに変わる。一軸性負,屈折率ω1.723, ε1.681。MnをMg・Feなどが置換し水滑石族を形成。マンガン鉱床中に,ハウスマン鉱菱マンガン鉱などを伴い,高品位鉱を形成。加熱により色が変化するため,ギリシア語pir(火),chroia(色)から命名。「きびマン」または「きみマン鉱」などの呼び名は,この鉱物を主成分とする最高品位のマンガン鉱石の外観や色が穀物の「きび」に似ているところから鉱山で使われたもの。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パイロクロアイト」の意味・わかりやすい解説

パイロクロアイト
ぱいろくろあいと
pyrochroite

水酸化第一マンガンの鉱物。世界的にはまれであるが、日本では多産し、重要なマンガンの鉱石鉱物である。産出例としては、岩手県九戸(くのへ)郡野田村の野田玉川鉱山閉山)、長野県辰野(たつの)町浜横川鉱山(閉山)、滋賀県栗東(りっとう)市五百井(いおい)鉱山(閉山)などが有名。多く塊状として産し、また緑マンガン鉱の粒の周囲を取り囲むように産する。ケイ酸分に乏しい高品位マンガン鉱石中に産し、空気中でただちに酸化して、純白から褐色を経て暗褐色のファイトクネヒト鉱feitknechtite(β(ベータ)-MnOOH)に変化する。空気中で加熱すれば、この変化は非常に早まる。英名はギリシア語で「火」と「色」を意味する語の合成語で、加熱による変色を意味する。

加藤 昭 2018年5月21日]


パイロクロアイト(データノート)
ぱいろくろあいとでーたのーと

パイロクロアイト
 英名    pyrochroite
 化学式   Mn(OH)2
 少量成分  Mn3+,Mg,Zn
 結晶系   三方
 硬度    2.5
 比重    3.25
 色     白。空気中で褐色化
 光沢    真珠
 条痕    白。直ちに褐色化
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

冬に 4日間暖かい日が続くと 3日間寒い日が続き,また暖かい日が訪れるというように,7日の周期で寒暖が繰り返されることをいう。朝鮮半島や中国北東部の冬に典型的な気象現象で,日本でもみられる。冬のシベリ...

三寒四温の用語解説を読む