ビュッフェ

デジタル大辞泉 「ビュッフェ」の意味・読み・例文・類語

ビュッフェ(〈フランス〉buffet)

《「ブッフェ」とも》
立食用の食卓。また、立食形式食事。「ビュッフェスタイル」「ビュッフェパーティー
列車や劇場内などにある簡易食堂

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精選版 日本国語大辞典 「ビュッフェ」の意味・読み・例文・類語

ビュッフェ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] buffet )
  2. 列車内、また駅や劇場などの軽食堂
    1. [初出の実例]「此処ワルシャウ停車場の食堂(ブフェ)で」(出典:大英游記(1908)〈杉村楚人冠〉後記)
  3. 立食形式のパーティーなどで、料理を並べた卓。また、立食パーティー。
    1. [初出の実例]「前座敷の間食卓(ビュッフェェ)にかよふ足やうやう繁くなりたるをりしも」(出典:文づかひ(1891)〈森鴎外〉)
  4. 食器戸棚。サイドボード。
    1. [初出の実例]「食器棚(ビュッフェ)の鏡には」(出典:道程(1914)〈高村光太郎〉食後の酒)

ビュッフェ

  1. ( Bernard Buffet ベルナール━ ) フランス画家。とげとげしい線による簡潔な具象表現を指向し、第二次世界大戦後のフランス画壇で人気を得た。(一九二八‐九九

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改訂新版 世界大百科事典 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ
Bernard Buffet
生没年:1928-99

フランスの画家,版画家。パリ生れ。第2次大戦の悲惨を経験し,1944年ころからペルメケC.Permeke,グリュベールF.Gruberらとともに〈ミゼラビリスムMisérabilisme〉を標榜,46年〈サロン・デ・モアン・ド・トランタン〉に初出品。不安感をたたえる厳しい線と冷たい色彩で人物,静物を描き,48年には〈クリティック賞〉受賞。戦後派具象絵画の旗手としての彼の役割と画風は,その後の前衛絵画の流れのなかでいわば取り残されたが,彼自身は画面に色彩感を加え,神話画宗教画などテーマも拡大し,きわめて個性的な世界を展開し続けた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ(Bernard Buffet)
びゅっふぇ
Bernard Buffet
(1928―1999)

フランスの画家。パリ生まれ。10歳ごろから絵を描き始め、1946年、初めてサロン・デ・モワン・ド・トランタン(30歳未満の画家展)に自画像を出品。翌年アンデパンダン展、サロン・ドートンヌに出品。48年、20歳でクリティック賞(批評家大賞)を受賞し、一躍画壇の寵児(ちょうじ)となる。抽象志向を拒否した簡潔な具象表現を主張し、「戦争の恐怖」「キリスト受難」「サーカス」といった大作シリーズを初期から制作。冷たく暗い灰色を基調に、とげとげしい描線によって時代の不条理な傷あとをみごとに表出した。そのほか代表作に「むち打ち」(1951)などがあり、版画作品も多い。静岡県駿東(すんとう)郡長泉(ながいずみ)町に私立のベルナール・ビュフェ美術館がある。

[徳江庸行]


ビュッフェ(食事形式)
びゅっふぇ
buffet フランス語

セルフサービスで行う立食の食事形式。ことばの意味は、仕事台、立食台、戸棚、駅食堂、軽食などで、語源はフランス語の「食器戸棚」からきた。狭い部屋でパーティーをするとき、壁ぎわの食器戸棚の上につまみ物や料理皿を置き、部屋を広く使うことから始まった。ビュッフェ形式の特徴を招待者側から考えると、全員が着席しないから、同じ食堂で何倍かの客を招待することができる。また、席次、料理の給仕に心配はなく、食器も一つ一つかえる必要がないから、まえもって用意するだけでよい。客側からは、自分で好みの料理を楽しむことができる。このように、ビュッフェ形式によると気軽に楽しいパーティーにすることができる。

[小林文子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ
Buffet, Bernard

[生]1928.7.10. フランス,パリ
[没]1999.10.4. フランス,バール,トゥルトゥール
フランスの画家。 1944年エコール・デ・ボザール入学。 47年最初の個展を開催し,翌年クリチック賞を受賞。道化,静物,都市風景などを主題に鋭い描線,単純な色彩によって,人間の内面的激情,悲劇性,不安感などを表現した。 20世紀フランスの具象派を代表する画家である。 99年自殺した。代表作『鞭打ち』 (1951) 。静岡県長泉町にベルナール・ビュフェ美術館がある。

ビュッフェ
buffet

台所,食堂に備えつけられる扉つきの食器戸棚と置台を組合せた形式の家具。上に食物を載せることができ,おもに立食式のパーティーに用いられる。また駅構内のレストランなどで,入口付近に備えつけられる棚つきケースをもさす。小さな場所で多人数の客を接待できる劇場,駅,列車内などの軽食堂をもビュッフェという。

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百科事典マイペディア 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ

フランスの画家。パリ生れ。1948年クリティック賞を受けて一躍具象絵画の寵児(ちょうじ)となる。毎年,《受難》《裸婦》《戦争》など特定の主題による連作を発表,とげとげしい線描の表現主義的作風で知られる。

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栄養・生化学辞典 「ビュッフェ」の解説

ビュッフェ

 立食,食卓などを意味するフランス語で,簡単な食事をだすコーナーなどをいう.

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世界大百科事典(旧版)内のビュッフェの言及

【室内装飾】より

…身分のある者の寝台は織物の天蓋(てんがい)や垂幕でおおわれたが,そのものものしさから解放されて単純化されたのが近代の寝台である。このほか金銀の食器をならべて室内の装飾とする風習があって,そのための棚としてドレッサーまたはビュッフェがあった。イスラム教徒の室にはサンドゥクという木製の美しい櫃があり,衣服やその他のものを入れておく。…

【食堂車】より

…初めての和食堂車は06年4月の東海道本線三等急行で,そののち四国を除く各幹線の急行,特急に食堂車が連結され,和洋の別は時刻表に載せられた。また,初めてのビュッフェは二等室との合造で,1901年に大阪(湊町)~桑名~名古屋の関西鉄道に登場した。なお,世界最初の食堂車は,1868年アメリカのシカゴ・ノースウェスタン鉄道におけるものである。…

※「ビュッフェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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