ビュッフェ(読み)びゅっふぇ(英語表記)buffet フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ(Bernard Buffet)
びゅっふぇ
Bernard Buffet
(1928―1999)

フランス画家。パリ生まれ。10歳ごろから絵を描き始め、1946年、初めてサロン・デ・モワン・ド・トランタン(30歳未満の画家展)に自画像を出品。翌年アンデパンダン展、サロン・ドートンヌに出品。48年、20歳でクリティック賞(批評家大賞)を受賞し、一躍画壇の寵児(ちょうじ)となる。抽象志向を拒否した簡潔な具象表現を主張し、「戦争の恐怖」「キリスト受難」「サーカス」といった大作シリーズを初期から制作。冷たく暗い灰色を基調に、とげとげしい描線によって時代の不条理な傷あとをみごとに表出した。そのほか代表作に「むち打ち」(1951)などがあり、版画作品も多い。静岡県駿東(すんとう)郡長泉(ながいずみ)町に私立ベルナール・ビュフェ美術館がある。

[徳江庸行]


ビュッフェ(食事形式)
びゅっふぇ
buffet フランス語

セルフサービスで行う立食の食事形式。ことばの意味は、仕事台、立食台、戸棚、駅食堂軽食などで、語源はフランス語の「食器戸棚」からきた。狭い部屋でパーティーをするとき、壁ぎわの食器戸棚の上につまみ物や料理皿を置き、部屋を広く使うことから始まった。ビュッフェ形式の特徴を招待者側から考えると、全員が着席しないから、同じ食堂で何倍かの客を招待することができる。また、席次、料理の給仕心配はなく、食器も一つ一つかえる必要がないから、まえもって用意するだけでよい。客側からは、自分で好みの料理を楽しむことができる。このように、ビュッフェ形式によると気軽に楽しいパーティーにすることができる。

[小林文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビュッフェ」の意味・わかりやすい解説

ビュッフェ
Buffet, Bernard

[生]1928.7.10. フランス,パリ
[没]1999.10.4. フランス,バール,トゥルトゥール
フランスの画家。 1944年エコール・デ・ボザール入学。 47年最初の個展を開催し,翌年クリチック賞を受賞。道化静物,都市風景などを主題に鋭い描線,単純な色彩によって,人間の内面的激情,悲劇性,不安感などを表現した。 20世紀フランスの具象派を代表する画家である。 99年自殺した。代表作『鞭打ち』 (1951) 。静岡県長泉町にベルナール・ビュフェ美術館がある。

ビュッフェ
buffet

台所,食堂に備えつけられる扉つきの食器戸棚と置台を組合せた形式の家具。上に食物を載せることができ,おもに立食式のパーティーに用いられる。また駅構内のレストランなどで,入口付近に備えつけられる棚つきケースをもさす。小さな場所で多人数の客を接待できる劇場,駅,列車内などの軽食堂をもビュッフェという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android