ピアース(読み)ぴあーす(英語表記)Franklin Pierce

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピアース」の意味・わかりやすい解説

ピアース(George Washington Pierce)
ぴあーす
George Washington Pierce
(1872―1956)

アメリカの無線工学者。テキサス州生まれ。テキサス大学を卒業後、ハーバード大学に移り学位を取得(1900)、その後ライプツィヒ大学ボルツマンに学んだ。1903年からハーバード大学で教え、1917年物理学教授となった。鉱石検波器、水銀放電管、トーキー、水中信号装置など多面的な研究を行い、多くの特許を得たが、ピエゾ電気発振回路発明による送信周波の安定化の成功は無線通信技術上とくに重要である。無線工学に関する著作もある。

山崎俊雄


ピアース(Franklin Pierce)
ぴあーす
Franklin Pierce
(1804―1869)

アメリカ合衆国第14代大統領(在任1853~57)。1833年から42年までニュー・ハンプシャー出身議員として連邦上下院で活躍し、52年民主党南部派の支持で大統領に当選した。国内の南北宥和(ゆうわ)と対外拡張に意欲を示し、キューバ併合まで試みたが失敗し、54年カンザス・ネブラスカ法成立以後のカンザスにおける奴隷制導入の是非をめぐる南北の衝突を収拾できず、次の民主党大会では大統領候補の再指名を得ることができなかった。

[安武秀岳]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピアース」の意味・わかりやすい解説

ピアース
Pierce, John Robinson

[生]1910.3.27. デモイン
[没]2002.4.2. カリフォルニア
アメリカの工学者,情報通信科学者。通信衛星の父。 1936年ベル電話研究所に入社。電子工学研究部長などを歴任。 1971年カリフォルニア工科大学教授,1979年ジェット推進研究所技術主任。第2次世界大戦中,いまではレーダ受信器として広く使われている低電圧の発信器を開発。戦後,通信衛星開発のための理論的研究に取り組み,衛星通信技術の必要性を説いた多数の論文を発表した。 1960年8月打ち上げの衛星にラジオ波反射機を積載するようアメリカ航空宇宙局を説得,地球の二基地間の通信実験を成功に導き,最初の民間衛星テルスターの開発にも大きな刺激を与えた。 1985年日本国際賞を受賞

ピアース
Pearse, Patrick Henry

[生]1879.11.10. ダブリン
[没]1916.5.3. ダブリン
アイルランドの独立を目指すアイルランド共和国同盟 IRBの民族主義者。詩人。反イギリス,独立のための武装蜂起の革命軍総司令官として,1916年4月 24日の復活祭蜂起を指導し,独立を宣言。1週間にわたって,ダブリンは市街戦のため麻痺状態に陥ったが,イギリス軍の猛攻によって鎮圧され,処刑された。

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