フェルティ症候群(読み)ふぇるてぃしょうこうぐん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェルティ症候群」の意味・わかりやすい解説

フェルティ症候群
ふぇるてぃしょうこうぐん

脾腫(ひしゅ)および白血球減少症を伴う関節リウマチで、アメリカの内科医フェルティA. R. Felty(1895―1964)が1924年に一つの症候群として初めて記載した疾患概念をいう。慢性関節リウマチのまれな異型と解釈され、独立疾患として認めないものもある。真の原因は不明で、多くの要因関与が考えられ、体重減少リウマチ結節リンパ節腫脹(しゅちょう)、胸膜炎、肝腫などの症状が高頻度にみられる。治療は関節リウマチに準拠するが、合併症に対する治療や予防も重要である。

[永井 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェルティ症候群」の意味・わかりやすい解説

フェルティ症候群
フェルティしょうこうぐん
Felty's syndrome

体重減少,皮膚色素沈着脾臓腫大,血液中の白血球の減少を示す成人関節リウマチで,1924年アメリカの内科医 A.フェルティが報告した。皮膚では,悪性関節リウマチと同様の下腿潰瘍および露光部位の色素沈着がしばしば見られる。その他,発熱や体重減少などの全身症状を伴うことも多い。この疾患においては,白血球減少とその機能低下のため,感染症を合併しやすく,これがしばしば死因となる。

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