日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェージン」の意味・わかりやすい解説
フェージン
ふぇーじん
Константин Александрович Федин/Konstantin Aleksandrovich Fedin
(1892―1977)
ソ連の小説家。ボルガ地方のサラトフに生まれる。父は農奴出の小商人で、母は教師の娘。モスクワ高等商業卒業後ドイツのニュルンベルクに留学。革命後帰国し、文学グループ「セラピオン兄弟」に所属、「同伴者作家」として活動を始めた。革命前期のドイツとロシアを舞台に、激動する歴史のなかに生きる知識人の問題を追求した長編『都市と歳月』(1924)で注目された。長編『兄弟』(1928)、『ヨーロッパの奪取』(1933~35)に続き、第二次世界大戦後は長編三部作『最初の喜び』(1945)、『異常な夏』(1948)、『かがり火・第一部』(1961)を書き続け、20世紀ロシアの現代史を雄大な規模で描いた。
[水野忠夫]
『小沢政雄訳『異常な夏』全3巻(1952・三一書房)』▽『工藤精一郎訳『都市と歳月』(『世界文学全集29』所収・1967・集英社)』