一般に心理学的なものの見方、つまり、世界内の事実的できごとの一種としてみられた心的プロセスや心的機能を考察・研究する学問である心理学の方法を、他のあらゆる学問の基礎に据え、それらに拡張・適用しようとする立場をさしていう。
とくに哲学で心理主義とよばれるのは、前述の心理学的な見方を認識論や論理学の領域に適用し、知識や思考の心理的、事実的な成立過程を観察し確定することによって、認識や思考の客観性や普遍妥当性、いいかえれば、認識や思考の本質をなす法則性や論理性を解明し基礎づけうると主張する立場である。この意味での「心理主義」は、今日では、認識論や論理学に固有の問題を心理学上の事実問題に解消し、それゆえカント的にいえば、権利問題と事実問題の区別を忘失した主張として、ほとんど非難の形容詞となってしまった。
一時期、心理主義の鋭い批判家でもあったフッサールの『論理学研究』(1900~01)によれば、論理学の基礎は心理学にありとした哲学者として、たとえばJ・S・ミル、リップスがあげられる。
[山崎庸佑]
『フッサール著、立松弘孝他訳『論理学研究』全4巻(1968~76・みすず書房)』▽『間々田孝夫著『行動理論の再構成――心理主義と客観主義を超えて』(1991・福村出版)』▽『J・N・モハンティ著、貫成人訳『フッサールとフレーゲ』(1991・勁草書房)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…19世紀後半の有力な哲学説の一つで,心理学をあらゆる哲学的諸学科の基礎学とみなし,とりわけ論理学と認識論を心理学によって基礎づけようとする立場。心理主義ともいう。J.S.ミルやブント,T.リップスらがその代表者。…
※「心理主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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