フナバラソウ(読み)ふなばらそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フナバラソウ」の意味・わかりやすい解説

フナバラソウ
ふなばらそう / 船腹草
[学] Vincetoxicum atratum (Bunge) Morr. et Decne.
Cynanchum atratum Bunge

ガガイモ科(APG分類:キョウチクトウ科)の多年草。ロクオンソウともいう。茎は高さ40~80センチメートル。葉は対生し、卵形または楕円(だえん)形、両面に軟毛がある。5~6月、上部葉腋(ようえき)に暗褐紫色の5弁花を開く。果実は袋果で、密に毛がある。山地の林内に生え、本州から九州および朝鮮半島、中国に分布する。名は、果実を船腹の形に見立てていう。ロクオンソウは中国名の老君鬚(ろうくんしゅ)に由来し、種子の白毛を老人の鬚(ひげ)に見立てた。根を漢方で「白微(はくび)」と称し、解熱利尿剤とする。

[高橋秀男 2021年6月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フナバラソウ」の意味・わかりやすい解説

フナバラソウ(舟腹草)
フナバラソウ
Cynanchum atratum; dogbane

ガガイモ科の多年草。東アジアの温帯に広く分布し,日本全域の山野草地に生える。茎は直立し,高さ 40~80cmぐらいになる。全体に白色の軟毛をつけ,葉の下面や茎の上部には特に密生する。葉は対生し短い柄があり,長さ6~10cmの楕円形である。5~6月に,茎の上方の葉腋に濃紫色の星形の小花が束になってつく。花冠外面にのみ短い毛をまばらにつける。種子には白く細長い毛が多数あり風で飛び散る。

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