ブランデージ(読み)ぶらんでーじ(英語表記)Avery Brundage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブランデージ」の意味・わかりやすい解説

ブランデージ
Brundage, Avery

[生]1887.9.28. アメリカ合衆国ミシガンデトロイト
[没]1975.5.8. ドイツ連邦共和国,ガルミッシュパルテンキルヘン
アメリカ合衆国の体育家。イリノイ大学卒業。1912年第5回ストックホルム・オリンピック競技大会において近代五種競技 5位。アメリカ体育協会会長(1928~33,1935),国際オリンピック委員会 IOC副会長を経て,1952年第5代 IOC会長に就任。運営手法に批判を浴びながら威厳を保ち,アマチュアリズムを厳格に貫くなど(→札幌オリンピック冬季競技大会),1972年の退任まで一貫してオリンピック精神を守り続けた。ミュンヘン・オリンピック競技大会ではオリンピック村の襲撃で選手,役員死者を出したが,激しい批判に抗し,大会の続行を主張した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブランデージ」の意味・わかりやすい解説

ブランデージ
ぶらんでーじ
Avery Brundage
(1887―1975)

アメリカ、国際オリンピック委員会(IOC)第5代会長を1952年から72年まで務めた。とくに64年(昭和39)東京オリンピック、72年の札幌冬季オリンピックの際、IOC会長として日本の大会運営に好意を寄せ、大会成功に大きな貢献をした。また会長在任中、アマチュアリズムについて厳格で、世界のスポーツ界にアマチュアの純粋性を説いたことで有名。札幌冬季大会でも、スキー用具を商業宣伝に使ったとの理由で、オーストリアのメダル候補の追放も決めるなど厳しい姿勢を示した。陸上競技の出身で、第5回オリンピックでは五種競技で第5位に入賞している。一方、古代東洋美術のコレクターでもあり、しばしば来日した。

[深川長郎]

『A・ブランデージ著、宮川毅訳『近代オリンピックの遺産』(1974・ベースボール・マガジン社)』

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