インドネシア東部,モルッカ諸島南西部の島。マニパ海峡によりセラム島と接する。面積9600km2,人口約2万。地形は山がちで険しく,最高点は西部のカウ・パラトマダ山(2429m)。海岸線は一般に単調でサンゴ礁に囲まれ,東部のカイェリ湾を除けば安全な錨地に乏しい。主邑のナムレアも同湾北岸にある。湾に注ぐワエ・アプ川が主たる川で,下流には若干の低地が広がる。内陸は密林に覆われ,1892年オランダのマルティンらの探検でようやく事情が明らかになった。住民は奥地にアルフル系,海岸部には付近の島の民族が多い。森林資源に富む。1965年の九月三〇日事件以後,共産党員の流刑地とされたことで知られる。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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