ブロンツィーノ(読み)ぶろんつぃーの(英語表記)Agnolo Bronzino

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロンツィーノ」の意味・わかりやすい解説

ブロンツィーノ
ぶろんつぃーの
Agnolo Bronzino
(1503―1572)

イタリアの画家。フィレンツェ近郊モンティチェリに生まれ、フィレンツェに没。最初ラファエッリーノ・デル・ガルボに学ぶが、のちポントルモの弟子となる。1528年ころ独立。ウルビーノ宮廷に招かれ、ペザロでビラ・インペリアーレの装飾に参加(1530~32)。フィレンツェに戻ったのち、ポントルモの助手としてカレッジおよびカステッロのメディチ家別荘の回廊装飾に従事(1535~43)した。一方、肖像画家として頭角を現し、40年ごろコジモ1世の宮廷画家となる。マニエリスム肖像画の傑作『エレオノーラ・ダ・トレドとその子ジョバンニ』(1545ころ・ウフィツィ美術館)など数多くの肖像画を描いた。その作風は、冷たい色彩感覚と精緻(せいち)な描写により、冷厳で高貴な気品を漂わせている。46~47年のローマ滞在後、数多くの宗教画を手がけているが、精彩を欠く。ほかに寓意(ぐうい)画として有名な『時と愛の寓話』(1546ころ・ロンドン、ナショナル・ギャラリー)などが知られる。

三好 徹]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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