プランション(読み)ぷらんしょん(英語表記)Roger Planchon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プランション」の意味・わかりやすい解説

プランション
Planchon, Roger

[生]1931.9.12. サンシャモン
[没]2009.5.12. パリ
フランスの演出家,俳優,脚本家。第2次世界大戦後のフランス演劇を主導した。1950年リヨンに劇団テアトル・ド・ラ・コメディを設立,アルチュール・アダモフの作品を上演して注目される。ベルトルト・ブレヒト作『セチュアンの善人』の演出を機にブレヒトを知り,その影響で叙事的社会劇を目指した。1957年パリでの初公演でアダモフの『パオロ・パオリ』Paolo Paoli(1957)を演出して成功,同年リヨン郊外のビルバーヌ市立劇場に移って本拠とし,劇団名をテアトル・ド・ラ・シテに改名した。舞台装置家ルネ・アリオとともにウィリアム・シェークスピア,ピエール・マリボー,ジャン・ラシーヌ作品などに独特な演出を試みた。1972年フランス政府がパリにあった国立民衆劇場の名称をビルバーヌ市立劇場に与え,同劇場の監督に就任した。パトリス・シェローら新進演出家を育て,映画『ルイ少年王』Louis, enfant roi(1991)などを監督した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プランション」の意味・わかりやすい解説

プランション
ぷらんしょん
Roger Planchon
(1931―2009)

フランスの演出家、俳優、劇作家。リヨン近郊のサン・シャモンに生まれ、早くからリヨン市のアマチュア劇団で活躍。1952年友人と劇団を結成し、アダモフなどの前衛劇のほか、フランスでいち早くブレヒトを上演。1954年のベルリーナ・アンサンブルのパリ来演でじかにブレヒトに接し影響を受ける。1957年リヨン郊外ビルールバンヌ市立劇場を本拠として、シェークスピアやモリエール、ことに『タルチュフ』を新解釈で演出して話題となる。1972年以来ビルールバンヌ市立劇場に本拠を移したTNP(テーエヌペー)(国立民衆劇場)の主宰者となる。自作戯曲には『青、白、赤あるいは自由主義者たち』(1967)、『黒い豚』(1973)など。

[利光哲夫]

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