ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェロー」の意味・わかりやすい解説
シェロー
Chéreau, Patrice
[没]2013.10.7. パリ
フランスの演出家,映画監督。高校時代から演劇活動を開始,19歳のときビクトル・ユゴー作『介入』L'Interventionを演出して人気を博し,ソルボンヌ大学を退学して演劇に専念する。1971~77年国立民衆劇場,1982~90年ナンテール・アマンディエ劇場の共同監督を務め,挑発的な演出活動を続けた。1976年バイロイト音楽祭(→バイロイト祝祭劇場)でリヒアルト・ワーグナーの『ニーベルンゲンの指輪』を演出した際,背景をドイツの神話的時代からヨーロッパの産業革命時代に置き換え,独創的なマルクス主義的解釈(→マルクス主義)を行なって観客に衝撃を与えた。しかし公演は成功裏に終わり,その後のオペラ演出に演出家が大胆な解釈を加える道を開いた。映画監督としては,『王妃マルゴ』La Reine Margot(1994,カンヌ国際映画祭審査員賞),『インティマシー/親密』Intimacy(2001)などを手がけた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報