ヘッカー(読み)へっかー(英語表記)Theodor Haecker

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘッカー」の意味・わかりやすい解説

ヘッカー
へっかー
Theodor Haecker
(1879―1945)

ドイツ思想家。ハイデルベルク近郊エーバーバッハ生まれ。1921年イギリスの枢機卿(すうききょう)ニューマンの影響を受けてカトリック改宗キルケゴールやニューマンの著作をドイツ語に翻訳しただけでなく、カトリック文芸評論誌『ホーホラント』に拠(よ)って多彩な評論活動を行った。主著は『西欧の父ウェルギリウス』(1931)。抵抗運動「白バラ」のハンスHans Scholl(1918―1943)と
ゾフィーSophie Scholl(1921―1943)のショル兄妹感化を与えた反ナチズムの著書によっても有名である。

[木村直司 2015年4月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘッカー」の意味・わかりやすい解説

ヘッカー
Haecker, Theodor

[生]1879.6.4. エーバーバハ
[没]1945.4.9. ウスターバハ
ドイツの哲学者。キルケゴールの研究で知られ,カトリックの立場から文化哲学を展開した。主著『キルケゴールと内面性の哲学』 Kierkegaard und die Philosophie der Innerlichkeit (1913) ,『キリスト教文化』 Christentum und Kultur (1927) ,『ウェルギリウス-西欧の父』 Vergil,Vater des Abendlandes (1931) 。

ヘッカー
Hecker, Friedrich

[生]1811.9.23. アイヒテルスハイム
[没]1881.3.24. セントルイス
ドイツの政治家。法律を学んだが,1842年よりバーデン政界に入り,48年に G.シュトルーベとフランクフルト予備議会の極左派を指導し,4月南部バーデンでドイツ共和国建設を宣言して武力蜂起を企てた。4月 20日カンデルンの戦いで政府軍に敗れ,スイス,次いでアメリカに亡命。サマーフィールドで農業を営み,61年南北戦争に北軍大佐として参加。

ヘッカー
Hecker, Isaac Thomas

[生]1819.12.18. ニューヨーク
[没]1888.12.22. ニューヨーク
アメリカ,ボルティモア大司教。説教家としてニューヨークで活躍。パウロ宣教会を創立し,カトリック出版物の普及による宣教活動に貢献した。

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