改訂新版 世界大百科事典 「ヘルマスの牧者」の意味・わかりやすい解説
ヘルマスの牧者 (ヘルマスのぼくしゃ)
Shepherd of Hermas
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…《ペテロの第1の手紙》や《クレメンスの第1の手紙》は,迫害に苦しむ信徒たちに対してキリストの苦難を提示し,みずからの苦難に耐えることを勧めるが,ローマの官憲には服従することを要求している。なお,迫害下にある教会は多くの棄教者を出すことにもなるが,《ヘブル人への手紙》は彼らに悔い改めの可能性を否定するのに対して,《ヘルマスの牧者》はこれを肯定し,終末以前の〈今〉の時を悔い改めの最後の機会とみなしている。いずれにしても,とりわけこの《ヘルマスの牧者》から看取されるように,このころになるとキリスト教徒が属する社会層は平均的に中産階級,あるいはそれ以上となっている。…
…伝統的には〈使徒たちの教えを受けた教父たち〉という意味で用いられている。初期においては《バルナバの手紙》《クレメンスの第1の手紙》《クレメンスの第2の手紙》《ヘルマスの牧者》《イグナティオスの手紙》《ポリュカルポスの手紙》《ポリュカルポスの殉教》の7書のみが含まれていたが,19世紀になってから新たに《パピアスの断片》《クアドラトゥスの断片》《ディオグネトスへの手紙》《ディダケー》が加えられた。 これらのうち《ディオグネトスへの手紙》のみは,本来護教文学と呼ばれる一連の文書に属するのであるが,11章1節で著者が自分のことを〈使徒たちの弟子〉と呼んでいるために使徒教父文書に入れられたと思われる。…
※「ヘルマスの牧者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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