日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベビーフード」の意味・わかりやすい解説
ベビーフード
べびーふーど
baby food
乳製品以外のすべての乳児食製品をいう。1928年にアメリカで製品化され、以来広く普及し、アメリカでは離乳食の大部分がベビーフードのみであるという。日本でベビーフードが出現したのは1950年代後半であるが、当時は乾燥物製品が主体であった。59年(昭和34)に初めて缶詰製品が市販され、70年代に入り缶詰、瓶詰製品が主流となり、多数市販されるようになったが当時の日本においてはベビーフードはあまり普及しなかった。これは離乳食をできるだけ手作りで与えたいという母親の心情、市販品に対する不信感や拒否反応によるものと考えられた。しかし現在は少子化が進むなかでも供給量は増え、一人当りの消費量が増加している。市場規模は約334億円である(2001年日本ベビーフード協議会)。日本小児保健協会が行っている、全国の満1歳から7歳未満(就学前児)の幼児6875名について調査した「幼児健康度調査」によると、乳児期に市販の離乳食を「よく利用した」のは1990年(平成2)に13%であったが2000年は25%、「時々利用した」のは43%(1990)から48%(2000)と、利用率が高まっていることがうかがえる。一方「あまり使わなかった」のは44%(1990)から26%(2000)と大幅に減少した。
[帆足英一]
『水野清子・染谷理絵著『市販のベビーフードで作る離乳食』(1998・日本小児医事出版社)』