身体障害者を補助する盲導犬、聴導犬、介助犬の育成と、これを使用する身体障害者が施設等を円滑に利用するための法律(平成14年法律49号)。2002年(平成14)10月1日に施行。
この法律の成立以前は、盲導犬が道路交通法の改正により認められているだけで、聴覚障害者を助ける聴導犬や肢体(したい)不自由者を助ける介助犬は法律上、ペットと同様の扱いしか受けられなかった。また、道路交通法では盲導犬の公共交通機関への同伴を認めているだけで、盲導犬を含む補助犬を同伴した人が公共の場や飲食店、ホテル、旅館などを訪れた際に、入場を断られてしまうことも多かった。身体障害者補助犬法は、こういった状況を改善し、補助犬を連れた人が積極的に社会参加できるようにするために制定された。
この法律の施行により、国や自治体が管理する公共施設や公共交通機関は2002年10月1日から、デパートや飲食店などの不特定かつ多数の者が利用する施設は2003年10月1日から、身体障害者が補助犬を同伴し利用することを拒むことができなくなった。一方、施設を利用する側には、同伴する犬が厚生労働大臣が指定した公益法人または社会福祉法人により認定を受けた身体障害者補助犬である旨を表示する義務が科せられたほか、補助犬の行動や健康を管理することなどが求められている。この法律では、当事者以外の国民にも身体障害者補助犬を連れた人に対する協力を求めており、障害者の自立や社会参加を促すことが期待されている。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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