ペトルーシカ(その他表記)Pétrouchka

精選版 日本国語大辞典 「ペトルーシカ」の意味・読み・例文・類語

ペトルーシカ

  1. ( 原題[ロシア語] Pjetruška )[ 異表記 ] ペトルーシュカ バレエ音楽。一幕四場。ストラビンスキー作曲。M=フォーキン振付によりパリのシャトレ座で一九一一年初演

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改訂新版 世界大百科事典 「ペトルーシカ」の意味・わかりやすい解説

ペトルーシカ
Pétrouchka

ストラビンスキーの音楽による1幕4場のバレエ台本はブノア(A.N.ベヌア,衣装・装置も担当)とストラビンスキーによる。振付はフォーキン。1911年6月ディアギレフバレエ・リュッスによりパリのシャトレ座で初演された。雪におおわれたペテルブルグ見世物小屋での出来事,人間の魂を与えられた三つの人形,ペトルーシカ,踊り子ムーア人の恋の葛藤を描く。ペトルーシカを踊ったニジンスキーのすばらしい演技で大成功をおさめた。日本初演は1950年小牧バレエ団によって行われた。音楽は,ロシア民謡俗楽を豊富にとり入れ,鋭いリズムと和声の取扱いによって近代感覚をみなぎらせている。また,ベジャールは77年に同じ曲により三つの仮面を用いて現代人の心理を描いた傑作をつくった。
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百科事典マイペディア 「ペトルーシカ」の意味・わかりやすい解説

ペトルーシカ

ストラビンスキー作曲のバレエ音楽。ペトルーシュカとも。ロシアの道化,ペトルーシカの悲恋を三体の人形によって描いた作品。最初の発想は作曲者自身によるといわれる。ストラビンスキーとA.N.ブノア〔1870-1960〕(美術も)の台本,フォーキンの振付で,1911年〈バレエ・リュッス〉のパリ公演で初演。主人公の人形ペトルーシカを演じたニジンスキーの演技が伝説となっている。1977年ブリュッセルで初演されたベジャールの再演出版のほか,いくつかの再演出がある。→カルサビナ
→関連項目モントゥー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペトルーシカ」の意味・わかりやすい解説

ペトルーシカ
Petrushka

4場から成るバレエ。台本 A.ブノアと I.ストラビンスキー。音楽ストラビンスキー。振付 M.フォーキン。装置ブノア。 1911年パリのシャトレ座で S.ディアギレフのバレエ・リュスによって初演され,V.ニジンスキー,T.カルサビナ,E.チェケッティらが出演。ピエロのペトルーシカとバレリーナ,ムーア人の3体の人形が恋をしたり,嫉妬したりして大騒ぎし,ムーア人がペトルーシカを殺してしまうという話。フォーキンの傑作であり,ニジンスキーの当り役の一つでもあった。日本では 50年小牧バレエ団により初演。

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世界大百科事典(旧版)内のペトルーシカの言及

【口承文芸】より

…動物の仮面やパントマイムを伴う民衆演劇はさまざまな冬の祭事とむすびついてスラブ全域にひろまっているが,ウクライナ西部でその古形がよく保たれている。ペトルーシカを主人公とするロシアの人形劇はチェコで発達した人形劇が東漸したとする説がある。口承文芸の中で最も主要なジャンルの一つである昔話は東スラブとりわけロシアと白ロシア(ベラルーシ)で最も豊富に伝わっている。…

【ストラビンスキー】より

…08年に発表した管弦楽曲の《スケルツォ・ファンタスティック》と《花火》の2曲が,ディアギレフに認められ,この天才的な興行師から,バレエ・リュッスのパリ公演のためのバレエ音楽の作曲を委嘱された。《火の鳥》《ペトルーシカ》《春の祭典》が,バレエ・リュッスによってパリで上演され,いずれもセンセーショナルな話題を集め,ロシアの新進気鋭の作曲家の名前は,一躍ヨーロッパの音楽界に広まった。この初期の三大バレエ音楽は,ロシア民謡風の4音ないし5音の旋律,従来の拍節構造によらない自由なリズム,斬新なオーケストレーション,コラージュ風の構成法を用いており,新しい音楽的空間と音楽的時間を生みだした。…

【バレエ音楽】より

… 1910年代から20年代にかけて,ディアギレフの主宰する〈バレエ・リュッス〉のために,現代音楽の新しいイズムをもったバレエ音楽が相次いで創造される。ストラビンスキーの《火の鳥》(1910)と《ペトルーシカ》(1911)と《春の祭典》(1913),J.M.ラベルの《ダフニスとクロエ》(1912),ドビュッシーの《遊戯》(1912)などである。一方,同じ時期に発表されたファリャの《恋は魔術師》(1915)と《三角帽子》(1919)は,民族的色彩の濃いバレエ音楽として知られる。…

【フォーキン】より

…しかしバレエ・リュッスのパリ公演を企画したディアギレフはこの改革案に共感し,1909‐12年,14年のバレエ・リュッスの演目のほとんどをフォーキンに委嘱する。この時期に《レ・シルフィード》(1909),《ペトルーシカ》(1911),《ダフニスとクロエ》(1912),《金鶏》(1914,音楽はリムスキー・コルサコフ)など,20世紀バレエの幕開けを告げる名作がつくられた。これらは〈すべてのバレエはその主題と音楽に即した動きを与えられるべきで,古典舞踊のステップの濫用はさけなければならない〉という彼の主張を具現したものである。…

【ベジャール】より

…60年ブリュッセルのモネ劇場(1963年ベルギー国立劇場となる)の中に20世紀バレエ団を結成。《春の祭典》《ロミオとジュリエット》《ペトルーシカ》などの創作でバレエに演劇的要素を組み入れ,独自のスペクタクルを誕生させた。以後20世紀バレエ団は異色の集団バレエで国際的な反響を呼び起こした。…

※「ペトルーシカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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