日本大百科全書(ニッポニカ) 「モントゥー」の意味・わかりやすい解説
モントゥー
もんとぅー
Pierre Monteux
(1875―1964)
フランス出身のアメリカの指揮者。パリ生まれ。パリ音楽院でバイオリンを学び、オーケストラに入団。1907年指揮者としてデビュー、11~14年ディアギレフ・バレエ団のオーケストラを指揮、ラベル『ダフニスとクロエ』やストラビンスキー『ペトルーシュカ』『春の祭典』などを初演した。17年渡米、メトロポリタン歌劇場、ボストン交響楽団の指揮者のあと、24~34年アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団第二指揮者、36~52年サンフランシスコ交響楽団常任指揮者を務め、42年アメリカ市民権を獲得した。その後客演活動を行っていたが、61年から亡くなるまでロンドン交響楽団首席指揮者。このオーケストラを率いて63年(昭和38)初来日した。まろやかで気品のある芸風は、フランス音楽でとくに効果を発揮した。
[岩井宏之]