ホブド(読み)ほぶど(英語表記)Khovd

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホブド」の意味・わかりやすい解説

ホブド
ほぶど
Khovd

モンゴル西部、ホブド県の県都。アルタイ山脈の山麓(さんろく)、ブヤント川の沿岸に位置する。コブドともいう。人口2万6023(2000)。北はシベリア、東はウランバートル、西は中国に通じる道路交通の要衝で、西部モンゴルの経済と文化の中心地である。町の歴史はジュンガルを征討した清(しん)朝が、1730年この付近に北西モンゴルの守備基地を築いたのに始まる。清朝は定辺左副将軍を置き、のちにはホブド参賛大臣を駐在させて、アルタイ方面の鎮撫(ちんぶ)にあたらせた。1762年町は現在の場所に移り、やがて清とロシアの貿易中継地としても繁栄するようになった。1912年の革命後ジルガランタと改名されたが、1963年旧名のホブドに戻った。周辺はハルハ以外にザハチン、トルグート、ミャンガト、ウリヤンハイカザフ、ドルベトなど、14に及ぶ民族が居住する同国最多の少数民族居住地域である。

[吉田順一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホブド」の意味・わかりやすい解説

ホブド
Hovd

モンゴル西部,ホブド州の州都。モンゴル西部の中心都市。モンゴルアルタイ山脈東麓,ホブド川支流の河畔標高 1390mにある。 1767年にチベット仏教寺院を中心に建設され,1921年の革命前には清朝のホブド (科布多) 辺疆区の中心地,ロシアとの交易地であった。 25年から一時ジャルガラント Jargalantと称した。首都ウラーンバートルと定期空路で結ばれているほか,隣接する各州の州都と自動車道が通じている。人口約2万。

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