ボロス(読み)ぼろす(英語表記)Vólos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロス」の意味・わかりやすい解説

ボロス
Vólos

ギリシア,バルカン半島部中部,セサリア (古代名テッサリア) 地方東部の都市。アテネの北北西約 170km,エーゲ海のパガシティコス湾の湾奥に位置する港湾都市で,おもにセサリア地方に産する穀類,ワイン,綿花クロム鉄鉱,タバコ,オリーブ,オリーブ油などを積出す。背後のピリオン山麓の丘陵に位置する旧市街は,ミケーネ時代にこの地方の中心地であったイオルコスのあったところで,1956年以降の発掘によりその遺跡が出土している。市の南にはミケーネ時代から古典期末まで繁栄したパガサイ,前 293年マケドニアが建設したデメトリアスの遺跡もある。海岸沿いに広がる新市街は,おもに 1881年市がオスマン帝国からギリシアに割譲されたのち発展した。ラリサと鉄道で結ばれ,アテネとセサロニキを結ぶ幹線鉄道に連絡。人口7万 1378 (1981) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボロス」の意味・わかりやすい解説

ボロス
ぼろす
Vólos

ギリシア中部、マグネシア県の県都。ピレウステッサロニキに次ぐギリシア第三の港湾都市。人口8万2439(2001)。テッサリア東岸のパガシティコス湾奥に位置し、テッサリア平原の農産物である穀物、野菜、ぶどう酒、たばこなどを輸出する。湾の周辺には工業地帯が発達し、オリーブ油加工、織物皮革、たばこ産業が盛んである。1956年以来、旧市街アノ・ボロスで二つのミケーネ宮殿の発掘が進められている。考古学博物館がある。

[真下とも子]

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