ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーヤイ」の意味・わかりやすい解説
ボーヤイ
Bolyai János
[没]1860.1.27. モロシュバシャルヘイ
ハンガリーの数学者。父ファルカスも数学者で,C.ガウスと親交があった。 10歳から父の指導で微分積分学と解析力学を勉強し,13歳までにマスターした。ウィーンの王立技術学校で勉強 (1818~22) し,その後技術将校として軍隊勤務 (22~33) 。彼は父の警告にもかかわらず,その影響を受け,ユークリッド幾何学の平行線公理の証明に関心をもち続けた。父はこの研究に失敗していた。彼は 1820年に証明は不可能との結論に達し,それ以後この公理とは独立な幾何学 (非ユークリッド幾何学) の建設に没頭し,23年にほぼ完成させた。発表前にガウスがすでにかなりの部分を完成させていたことを知り,衝撃を受けたが,ガウスが公表しなかったので,父の著書とともに自分の論文を発表した (32) 。 48年には N.ロバチェフスキーが本質的に同じ幾何学の研究を 29年に発表していたことを知った。その後も数学の研究を続けたが,生存中彼の研究の重要性は認識されなかった。幼少よりバイオリンに習熱し,またフェンシングの達人であった。
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