日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポドザミテス」の意味・わかりやすい解説
ポドザミテス
ぽどざみてす
[学] Podozamites
中生代に栄えた裸子植物である球果植物(針葉樹)の1種。通常の球果類のもつ針葉とは異なり、葉は卵形または披針(ひしん)形の単葉で幅広く、短柄があり、平行脈をもつ。葉脈は基部でのみ分岐して先端に向かって収束する。球果の形をした化石キカドカルピディウムCycadocarpidiumがつねにポドザミテスの葉に伴って産するため、その繁殖器官ではないかと推測されているが確認されていない。
日本では山口県山陽小野田市津布田(つぶた)、美祢(みね)市大嶺(おおみね)町、岡山県高梁(たかはし)市成羽(なりわ)町などの三畳系から、また群馬県沼田市白沢(しらさわ)町岩室(いわむろ)、長野県北安曇(あずみ)郡小谷(おたり)村来馬(くるま)のジュラ系、また新潟県、石川県、福井県などの白亜系にかけて多産する。ポドザミテスの名は、中生代の同じような葉形をもつ化石に対して広く使われるため、その類縁ははっきりしないものも多い。多くはマキ科との類縁が指摘されるが、南半球でみつかるもののなかには、1996年にオーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州で発見された、ナンヨウスギ科の新属ウォレミアWollemiaと関連づけられるものもある。
[浅間一男・西田治文]