アメリカの企業家。バージニア州に生まれ,農業のかたわら鍛冶屋を営む父のもとで技術を身につけた。1831年,馬力を動力とする小麦の刈取機を発明し,それに改良を加えて特許を得,企業化することに成功。47年シカゴに進出,巨大な工場を設立して量産にのりだし,南北戦争の勃発に伴う農業労働力の不足に乗じ,事業を拡大した。製造工程には,いわゆる部品互換制の原理を導入して規格品の大量生産を行うとともに,技術的な改良によって80年代には1人で刈取りから結束まで可能なバインダーを完成した。一方,販売面においては,クレジット,アフターサービス,技術指導などを含む独自のマーケティング方式および各地の代理商と自社の販売要員を組み合わせた全国的販売組織によって収穫用農機の大量販売に成功し,後年の世界的企業であるインターナショナル・ハーベスター社International Harvester Co.の基礎を築いた。
執筆者:小林 袈裟治
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アメリカの新聞経営者。1910年、従兄(いとこ)のパターソンJoseph Medill Patterson(1879―1944)と『シカゴ・トリビューン』紙を共同経営、1925年に単独経営者となる。同紙は反共・孤立主義を掲げた右翼的な編集方針をとり、中西部最大の発行部数を誇った。第二次世界大戦後、アメリカの外交方針、とくにマーシャル・プランや国連政策に反対を表明。1949年にワシントンの『タイムズ・ヘラルド』紙を買収したが、業績不振で1954年『ワシントン・ポスト』紙に売却した。
[鈴木ケイ]
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