日本大百科全書(ニッポニカ) 「マジャンディ」の意味・わかりやすい解説
マジャンディ
まじゃんでぃ
François Magendie
(1783―1855)
フランスの生理学者。ボルドー生まれ。1803年聖ルイ病院の医学生となり、医学校で解剖学と生理学を学び、初め解剖学者として身をたてたが、生理学に転じた。1809年ジャワ産の毒物に関する毒物効果の動物試験の結果を報告、これは最初の薬物学的実験といわれる。1830年コレージュ・ド・フランスの生理学教授となり、パリのオテル・ディユ病院の医師を兼務。脊髄(せきずい)神経の機能を研究し、脊髄前根は運動を、後根は知覚をつかさどるという「ベル‐マジャンディの法則」を確立、また血流、嚥下(えんげ)、嘔吐(おうと)の機構を研究した。1821年の『実験生理学雑誌』創刊など、フランスにおける実験生理学の先駆的業績をあげた。
[大鳥蘭三郎]