日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストリキニーネ」の意味・わかりやすい解説
ストリキニーネ
すとりきにーね
strychnine
インド(ベンガル、マラバル)、スリランカ、マレー半島、ベトナム、オーストラリアに産するマチン科(APG分類:マチン科)のマチン(馬銭)Strychnos nux-vomica L.の種子ホミカ(馬銭子(まちんし))に含まれるアルカロイド。ストリキニンともいう。ピクロトキシン、ニコチンとともに三大けいれん毒の一つで、過量投与により強直性けいれんをおこす。毒薬。硝酸ストリキニーネとして種々の薬物中毒、手術時や出血時のショックに中枢神経興奮剤として用いられたが、現在では薬理学の研究用試薬として使われることはあるが、治療にはほとんど使用されていない。
[幸保文治 2021年5月21日]
[参照項目] |
|