ベネズエラ北西部にある南アメリカ最大の湖。面積1万3210km2,最大水深250m。アンデス山系北端部のペリハ山脈(西)とメリダ山脈(東)の間の凹地にあり,周辺の山地から多数の河川が流入している。湖の南部は淡水であるが,北部は狭い水道でベネズエラ湾と連絡しているため海水が入り塩分を増す。高温多湿な熱帯性気候下にあり,湖岸は非常にむし暑い。湖の南側には熱帯雨林が広がるが,北方にいくにつれ降水量が減少して熱帯性灌木林となる。周辺部はかつて伝染病が蔓延(まんえん)する不健康な貧しい地域であったが,石油資源の開発により大きく変貌した。石油の埋蔵は古くから知られていたが,本格的な採掘が始まったのは1918年以降で,現在も世界有数の産油地帯となっている。56年には湖の入口が広げられ,大型タンカーが入るようになった。周辺域の産物を運ぶ交通路としても重要。1499年スペイン人コンキスタドール,アロンソ・デ・オヘダにより発見。
執筆者:柳町 晴美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
南アメリカ北端部の湖。ベネズエラ西部にあり、アンデス山脈の支脈をなすペリハ、メリダ両山脈間のマラカイボ低地(スリア低地ともいう)の一部を占める。面積1万3600平方キロメートル。水深は一般に50メートル以下であるが、局部的に250メートルに達する。北のベネズエラ湾には長さ55キロメートルの水道で通じており、湖面高度は海面に等しい。汽水湖であるが、海から隔たるにしたがい淡水に近くなる。北東岸から湖の中央部にかけて、世界的規模の油田地帯が展開している。湖の出口に近い水道西岸には、ベネズエラ第二の都市マラカイボがある。
[松本栄次]
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