日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリオット」の意味・わかりやすい解説
マリオット
まりおっと
Edme Mariotte
(1620―1684)
フランスの物理学者。ディジョンの生まれといわれる。多くの分野にわたって実験科学を推進し、フランス科学アカデミーで、その創立時(1666)から会員として活躍した。1676年、気体の圧力と体積の間の関係を表すボイルの法則を、U字管を用いてより精密に実験した。また、ベルサイユ宮殿の噴水工事がきっかけで、梁(はり)の曲げ強度の実験を行い、ガリレイの梁の曲げ理論を、弾性変形を考慮して改善した。また、水理学では、流水によって生じる力は速度の2乗とともに変化するという重要な結論を述べた(1668)。そのほか、放射熱がガラスで遮られること、目の盲点についての研究、植物の栄養についての粒子論的説明など、多彩な仕事をした。
[高山 進]