改訂新版 世界大百科事典 「みづゑ」の意味・わかりやすい解説
みづゑ (みずえ)
美術雑誌。1905年(明治38)7月,水彩画家で美術啓蒙家の大下藤次郎によって創刊された《みづゑ》は,誌名が示すように初めは水絵=水彩画の普及のための専門雑誌として出発したが,水彩画から油彩画へと変遷をみた日本の美術界に歩調を合わせるように,17年以降は洋画を中心とした美術総合雑誌に転換し,《国華》とともに日本を代表する美術雑誌に成長。第2次大戦中は統制により《新美術》《美術》と改題し,日本美術出版株式会社(48年美術出版社と改称)から発刊するが,46年9月に復刊。戦後は新しい美術の動向を中心に編集,一作家の特集号を特徴とし,80年3月には900号を数えた。82年から季刊に移行した。
執筆者:中島 理寿
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報