( 1 )品詞の扱いとしては、接尾語とする説、助詞とする説、四段活用動詞の連用形に相当すると見る説、などがある。
( 2 )「甘んずる」「重んずる」「安んずる」などは、①の用法による「甘みす」「重みす」「安みす」の変化したもの。
前項の「み」と同語とされる場合もあるが、前項の「み」は形容詞の語幹に下接し、この「み」は動詞の連用形に下接するので、別語である。
②の中には、漢語の「味」と混同され、「味」を用いることも、近代には多い。
五十音図第7行第2段の仮名で、平仮名の「み」は「美」の草体から、片仮名の「ミ」は「三」からできたものである。万葉仮名には甲乙2類あって、甲類に「彌、民、美、瀰、弭、寐(以上音仮名)、三、見、御(以上訓仮名)」、乙類に「未、味、尾、微(以上音仮名)、身、箕(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(美)」「(見)」「(身)」「(三)」などがある。
音韻的には/mi/で、両唇を閉じた唇内鼻音の[m]を子音にもつが、「さみしい―さびしい(寂)」「かまみすしい―かまびすしい(喧)」などのように、語によっては[b]と子音交替する場合もある。上代では甲乙2類に仮名を書き分けるが、これは当時の音韻を反映したものと考えられる。
[上野和昭]
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