メクラネズミ(読み)めくらねずみ(英語表記)blind mole-rat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メクラネズミ」の意味・わかりやすい解説

メクラネズミ
めくらねずみ / 盲鼠
blind mole-rat
[学] Spalax leucodon

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目メクラネズミ科の動物モグラネズミともよぶ。ヨーロッパ南東部、小アジア、ヨーロッパロシア南部などに分布する。頭胴長18.5~27センチメートル、体重140~220グラム。外形モグラに似て、目は退化、尾もほとんどなくなっている。つめは大きく堅い。地中に複雑なトンネルをつくり、その中で草木の根を食べて生活している。門歯切歯)は大きく口の外に突出し、聴覚は鋭敏である。繁殖期(夏)には地上にもよく出る。1産2~4子を産む。

[宮尾嶽雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メクラネズミ」の意味・わかりやすい解説

メクラネズミ
Spalax; mole rat

齧歯目メクラネズミ科メクラネズミ属の動物の総称。3種から成る。体長 15~30cm。尾は短く,外から見えないほどである。全身黄灰色の厚い毛でおおわれる。モグラに似て眼は退化し,しかも皮膚におおわれてほとんど見ることができない。鼻先は丸い。門歯は大きく,口の外に突き出ている。足は短く,大きな爪をもち,これで地中に長大な巣穴を掘り,その中で生活する。ヨーロッパ南東部を中心に分布し,植物の根などを食べる。

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